i聞庫「水仙月の四日」

あなたに“聞かせたい”物語があります。
通勤通学の合間に、お子様への読みきかせに…音と映像によるハイブリッド・エンタテーメント【i聞庫/赤(文学)シリーズ】。
宮沢賢治の名作『水仙月の四日』を、女優・浅川稚広が朗読します。

『水仙月の四日』あらすじ
「水仙月」が何月を指すのか賢治自身も定かにはしていないが、おそらく四月を指すのではないかと言われている。岩手県では、四月四日頃になるとゲリラ雪が降り、春の気配に油断した人間たちの命を奪う。それは残酷で優しい精霊たちの仕業。ラストシーンは、子供を持つ親なら涙を禁じえない。賢治の作品の中ではさしてポピュラーではないが、自然と人間に対する「賢治らしい眼差し」を全編に感じる至作である。

《宮沢賢治 年譜》
1896年6月15日 宮沢賢治が生まれる約2ヶ月前に三陸地震津波(M8.5)が発生。死者行方不明2万人超。
1896年8月27日 現在の岩手県花巻市に、質・古着商の宮澤政次郎とイチの長男として生まれる。その直後の8月31日に陸羽地震(M7.2)が同地方を襲う。
1903年 花巻川口尋常高等小学校に入学。小学校2年の時、同級生が川に流され亡くなった。賢治は暗闇の中橋の上から子供を捜索する船の明かりを見つめていたという。
1909年 旧制盛岡中学(現・盛岡一高)に入学、寄宿舎に入寮し、鉱物採集や山登りに熱中するに熱中。さまざまな哲学書を読み、短歌の創作を始める。
1914年 盛岡中学卒業。肥厚性鼻炎を患い、岩手病院(現・岩手医科大学付属病院)に入院。
1915年 盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)に首席で入学。在学中、小菅健吉、保坂嘉内、河本義行と同人誌『アザリア』を発刊。
1918年 盛岡高等農林学校を卒業し、同4月より研究生となる。同年、肋膜炎を患い、「自分の命は15年ともつまい」と知人に漏らす。賢治の童話創作はこの頃から場始まったのではないかとされる。
1920年 研究生を卒業。助教授推薦の話を辞退し、10月「国柱会」に入信。
1921年 上京するが、夏にトシ発病のため岩手に帰り、11月、稗貫農学校(現・花巻農業高等学校)の教師となる。
1922年 11月にトシ病死。
1924年 4月、『春と修羅』を自費出版。12月に『注文の多い料理店』を刊行し、これが賢治生前に発行された唯一の童話集となる。
1926年 3月末で農学校を退職し、「羅須地人協会」を設立。以後、農民芸術を説きながら、農業指導に奔走。
1928年 夏、農業指導の過労から倒れ、秋に急性肺炎急を発症。
1931年 復職するが、9月に再び倒れる。同年11月3日、手帳に『雨ニモマケズ』を記す。
1933年 3月、三陸沖地震(M8.1)が東北地方を襲う。死者行方不明3000人超。同年9月21日、急性肺炎にて永眠。享年37歳。
東京都江戸川区一之江にある国柱会霊廟に、賢治の遺骨の一部と妹トシの遺骨が納められている。

《声優 浅川稚広》
東京都出身。
(主な出演歴)映画『フラガール』、『愛を乞うひと』、『アキレスと亀』、他。テレビ:NHK『中国語会話』、TBS『水戸黄門』、他。書籍:フリーマガジン『saramu』表紙&カバーストーリー、ガイドブック『完全旅行/KYOTO』メインナビゲーター、他。

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