歴史をつくった航空人列伝・日本編３

空に憧れ、空を飛ぶことに命を賭した人々の生き様描くシリーズ。

日本編・其の3では、時代の先陣を切って、航空業界の礎を気づいた人間の航空物語4編をお送りします。


■第一話:液冷エンジン戦闘機に賭けた頑固一徹!土井技師と「飛燕」物語

昭和16年6月。一撃離脱戦法を主眼に設計された高速・重装備の戦闘機の模擬空戦テストが行われていた。
その一年前、大馬力の液冷エンジンを作り上げた、戦闘機試作部長の土井の信念を阻む運命的な物語の
結果であった。
34歳の土井に、ほとんどが20代の設計者たち。さまざまなアイディアと工夫を凝らした試作機の完成
を間近に、ついに太平洋戦争の幕が切って落とされた。

逐一と変わる戦況の変化で軍の方針の変更に翻弄され続けた新しい戦闘機を設計している土井が、
押し寄せるB29に対しとった方法とは・・・。



■第二話:日本戦闘機の父 中島知久平 戦闘機王国「中島」物語

明治43年、英国ジョージ5世の即位を記念する博覧会開催を祝うために、日本海軍巡洋艦「生駒」が
イギリスへ派遣された。
この時、当時海軍少佐であった中島も乗船していた。

旅の途中、フランスに立ち寄り、フランスが誇る飛行機会社・工場をつぶさに見学した中島は、
その現況を目の当たりにし、計り知れない感動と衝撃を受けた。

その頃、徳川好敏大尉が、日本初の動力飛行に成功している。(日本編2に収録)

折しも、第一次世界大戦のさなか、飛行機のエキスパートとして寄せられる海軍の期待に、中島は
一大決心をするのであった。



■第三話:日本女性として初めて海外飛行に成功した 西崎キク 物語「紅翼 海を越えて」

うら若き乙女が飛行機乗りになるなど正気の沙汰ではないと思われていた、昭和8年10月、
念願の「郷土訪問飛行」をやり遂げた当時21歳の「松本キク」は、日本女性として初めての海外飛行を
成し遂げるために、さまざまな訓練を行っていた。

そんな昭和9年10月。ついに満州に向けて飛び立ったキクを待ち受けていた運命とは。

NHK連続ドラマのモデルにもなった女性の波乱万丈の人生の物語。


■第四話:浪速の職人たちが作った木製軍用機 試製99式練習用爆撃機22型「明星」物語

昭和18年。戦況ひっ迫の中、航空資材の不足した状況で、実戦でも使える99艦爆撃の練習機の製造を
命じられた航空技師に求められたものは、「木」で作る爆撃機だった。

けっこう強引な作業も余儀なくされたが、ようやく試作機を完成させた。
そして、その量産を依頼したのが、あの有名な会社だった。

さまざまな試練を乗り越えた職人の魂が、航空機の一時代を作ってきたことに、感動を見る一話です。


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文章の多い漫画ですが、その専門的な描写をじっくりと読み続けていくうちに、航空機に心を奪われた
人間たちの情熱が伝わってくるから、本当に不思議です。
読み応えのある一冊です。