キム・ジョンギ　スケッチ・コレクション2007

Kim Jung-Gi 2007 Sketch Collection Digital Book

デジタルでよみがえるキム・ジョンギのスケッチノート。
全1000ページをすべて収録、作家が絵を描いている動画(60分)も付属。　

このデジタルブックには1000ページを超える本の内容がすべて収録されている。また、それに加えて、作家が絵を描いている動画(60分)も付いている。もともと動画は5時間に及ぶが、これを8倍速で全体が見られるように編集し、その中の特定の部分を別途構成(3篇)して普通再生と早送りで交互に見せる。

キム・ジョンギのスケッチ・コレクションは周知の通り、作家が普段描いた絵を集めたものである。1ページに平均5～6個のイメージがあるから、1000ページに達するこの本には何千ものイメージが存在する。キム・ジョンギが自由に描くイメージを存分に鑑賞できるよいチャンスである。またこの本には、キム・ジョンギの初期の絵が全部入っている。彼が漫画家としてデビューして、漫画雑誌に連載した4ページの短いコントを始めとして、未発表短編も含まれている。さらに遡ってデビュー前の習作も収録されている。

キム・ジョンギは漫画家である。彼は常に右手でペンを握って絵を描いている。しかし、彼が描く絵は、ストーリーを追ってコマを割り、吹き出しを付ける絵ではない。彼は思うがままに描く。手の動きに任せるのが彼のやり方である。その点でキム・ジョンギの絵はエッセイとも言える。　特定のテーマやストーリー、素材にこだわらず、自由に線を引き空間を配置していく。彼の周辺の人々、街の風景、昨日観た映画などなど。時には想像上の動物たち、未来社会などを豊かな想像力で細かく描写する。

キム・ジョンギの絵の描き方は、どんな参考資料もなしに、またどんな下絵すらもなしに、連続して絵を完成していくやり方である。彼が絵を描く映像がユーチューブを通じて知られ、世界の絵師たちを驚かせたのもそのためである。その精巧なデッサンや空間演出もさることながら、下書きなしですらすらと描いていく彼の姿は、同業者たちをも唸らせた。

キム・ジョンギを理解する最もいい方法は、彼の筆先を追ってみることだろう。さあこれから、キム・ジョンギの絵の世界に入ってみよう。まずは彼が描いている姿を動画で確認し、彼のイメージの数々をじっくりと鑑賞しよう。そして、キム・ジョンギのように描いてみよう。彼のように自由に、カッコよく!