ねっこのルーティ Episode-1　Picture e-Book:Rooty

ねっこのルーティ Episode-1　Picture e-Book:Rooty
金子光史　Mitsushi Kaneko（作・絵）
「フェースofワンダー」という絵画や造形の大好きな知的障がい者が自由に活動できるアートスペース。
20年ほど前にこのアートスペースを立ち上げた金子が、ここに集う仲間たちの自由で奔放な表現に触発され、不思議な共鳴感の中、生まれた物語り。仲間たちの自在な魂を物語りの絵に幾重にも込めたこの作品は、まるでオーケストラのように私たちの心を揺さぶり、自由の宇宙へといざなってくれる。

春の朝、種から一人の少年が現れました。少年は、私に不思議な話しを語り始めました。
それが、この「ねっこのルーティ」の物語です。
少年の言葉は、明るく輝いたり、暗く遠のいたり、私にはよく聞きとることができないので、
その小さな物語は、私の中に刻まれた古い銅板画のようにかすかな姿を残しているだけです。
それを解読し、言葉にしていくのが、今の私の仕事です。
少年の物語はいまも続いています。
いつ終わるのかもわかりません。

One spring morning,
A boy sprang from the seed.
The boy started telling a story.
The story became “The Rooty.”
The boy’s words were like bright flashes sometimes and dark spots others.
（作者あとがきより抜粋）


画家として
ワタシニハ沢山ノ友達ガイマス。
友達ノ多クハ、知的障ガイ者ト呼バレル人タチナノデスガ、
ワタシノ絵ノ先生デス。
ワタシハ、「フェースofワンダー」トイウ処デ、絵ヲ教エテイルノデスガ、
イツモ「先生ノ絵ハツマラナイ」ト叱ラレテイマス。
コノ「ねっこのルーティ」ノ絵ハ、彼ラニ教エテモラッタ画法デ描イテミマシタ。
デスカラ、彼ラニホメラレルト、トテモ嬉シイノデス。
イツカ、私ノ先生デアル彼ラノ絵本ガ生マレルトイイナト思ッテイマス。

FROM THE ILLUSTRATOR
I have many friends.
I am an art teacher at “Face of Wonder.”
Many of my friends and students there are mentally challenged but talented artists.
They always told me that my paintings are boring.
So I learned from my students how to paint in their way and tried it out in this book, “Rooty.”
So I am very happy that my students and friends finally like my paintings.
I hope that someday that these people who have taught me art will create their own picture book for everyone to enjoy.

更新履歴
あとがきの英文を修正。