電脳のサムライたち

パソコンビジネス黎明期(1970年代)には“電脳のサムライ”とでも呼ぶべき若き起業家達が数多く登場し、時代に旋風を巻き起こし、そして時代を席巻した。21歳でアスキーを創業した西和彦はそんな時代の寵児であり主役だった。
盟友ビル・ゲイツとの二人三脚で国内パソコン・メーカーに強い影響力を持ち、ときに孫正義(ソフトバンク社長)と激しく対峙し、そして8ビットパソコンの統一規格『MSX』を世に送り出した。

本書(1997年初出)は“パソコンの天才”、“日本のビル・ゲイツ”と呼ばれた西和彦の姿を描くノンフィクションであり、西和彦を通して描く黎明期のパソコンビジネス史である。

【目次】
第一章 創世
素人トリオでアスキー創業
ビル・ゲイツと西和彦の1975年
市場を席巻したアスキーマイクロソフト時代

第二章 転回
MSXに託した西和彦の夢
メーカーを巻き込み理想のハードを追求
主戦場となった日本語ワープロソフト開発

第三章 彷徨
盟友ビル・ゲイツとの訣別
ビル・ゲイツへの対抗心と半導体ビジネス
新人類企業に新社長が誕生<
めちゃめちゃ元気なアスキー(八七〜九一年)

第四章 再生
創業以来のトロイカ体制の崩壊
リストラを経て再び離陸する
来るものは拒まず、去る者は追わず
インターネット時代への助走

あとがき
年表──西和彦とアスキーのその後

【著者紹介】
滝田誠一郎
たきた・せいいちろう
ノンフィクション作家
1955年東京生まれ。青山学院大学卒業。著書に『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』『電網創世記・インターネットにかけた男たちの軌跡』など多数。またジャーナリストとして雇用問題、人事問題をテーマにした取材・執筆活動も行っており、『65歳定年時代に伸びる会社』『人事制度イノベーション「脱・成果主義」への修正回答』などの著書がある。